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【加熱】加熱工程におけるCO2排出を9割減、消費エネルギーを40~60%削減できるマイクロ波技術

 マイクロ波で化学プロセスに100年来の革新をもたらすという目標を掲げて2007年に創業したマイクロ波化学株式会社(大阪府・吉野 巌社長)は、マイクロ波により、従来の化学プロセスに比べて最大9割もCO2排出を抑制し、材料や条件などによるが40~60%の消費エネルギーを削減できる技術を確立した。さらに、製造設備をコンパクトにできるという。


 従来の化学プロセスにおける加熱方法は、反応炉の外から熱を間接的に内側の材料にまで伝導させるものでした。一方で、マイクロ波を利用すれば、直接物質にエネルギーを伝えられるので、効率が高い。

マイクロ波による加熱方法は、従来加熱と比較して効率的に加熱できることがメリットの一つになり得るが、それ以外にもたくさんのメリットが考えられる。例えば、加熱に温度差を必要としないため、高温熱源を作るための大掛かりな装置が不要になる。

さらに、選択的な加熱は考えられるメリットの一つだ。マイクロ波加熱では適切な周波数を選定することにより、不均一系において溶媒ではなく反応ターゲット物質に直接エネルギーを伝達することができたり、多層フィルムの中で加熱したいターゲット層がある場合、その層のみを加熱することが可能になったりする可能性がある。

その結果、エネルギー消費量が削減できたり、品質が向上したりする見込みがあるなら、従来加熱に代わってマイクロ波加熱を検討する価値があると言えるだろう。


同社がこれまでの実績で見出してきたメリットは以下のものがある。

●反応時間や処理時間の短縮

●エネルギー消費量(CO2排出量)の削減

●設備の小型化(省スペース化)

●収率の向上(原料の削減)

●品質(純度、色味など)の向上

●触媒量の削減

●従来加熱を用いた製造方法では実現できない新しい物質の製造


CO2削減にコストをかける必要が避けられなくなる現代製造業において、この技術はカーボンニュートラル実現の光明になるかもしれない。引き続き注視していきたい。




従来加熱との比較(出展:マイクロ波化学社HP)


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