
JFEエンジニアリング株式会社(社長:大下 元、本社:東京都千代田区)は、このたび、廃棄物処理施設で最も重要な設備であるごみ焼却炉の操業において、自動運転のさらなる実証(以下、「本実証」)を進めた結果、延べ92日間において運転員による手動介入操作が発生しない完全自動運転を実現し、うち59日間の連続完全自動運転を達成しました。これは、当社が2019年に実証した2週間の連続自動運転※1を大幅に更新するものです。
当社は廃棄物処理施設において、プラント全体の自動運転を目指し先進的な開発や取り組みを継続して実施しています。その中で焼却炉の自動運転の取り組みとして、自動燃焼制御装置(ACC)を高度化させるとともに、自動運転AIシステム「BRA-ING(ブレイング)※2」を開発し清掃工場への導入を進めてきました。
また、今回、焼却炉以外で運転員が行っていた手動介入操作まで自動化範囲を拡大した完全自動運転システムを新たに開発しました。これにより、運転操作のための人員が中央制御室に不在となった場合でも、安全かつ安定した運転を継続でき、さらには運転の無人化に大きく寄与します。
本実証は、岩国市の清掃工場「サンライズクリーンセンター」で2023年7月1日から10月3日(95日間)にかけて実施しました。また、実証運転期間中も通常と同様のごみ受け入れ計画とごみピットのかく拌を行う運転条件としました。その結果、延べ92日間の完全自動運転を達成し、計画通りのごみ量を処理しながら従来より安定した燃焼状態を実現できることを確認しました。さらに、実証運転期間中に実施した3回の手動介入操作はすべて設備動作確認のためのものであることから、当社の完全自動運転システムは3カ月以上にわたり自動運転を確立したと評価しています。