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カーボンニュートラル、世界を牽引する欧州と日本の現在地

 2015年に国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)で採択された地球温暖化防止のための「パリ協定」が2016年に発効して以降、世界共通の「2度目標(努力目標1.5度以内)」するべく各国政府はカーボンニュートラルの実現に取り組み、具体的には炭素税や排出量取引といったカーボンプライシング(炭素を取引するための値付けをして排出者の行動を変えようとする政策群)を進めてきました。

カーボンプライシングは市場の効率性を生かした排出規制で、炭素価格の対象となる排出量も着実に増えいますが、特に欧州では「炭素国境調整措置(CBAM:Carbon Boarder Adjustment Mechanism)」の規則が 2023年5月に施行され同年10月から暫定適用が開始されたために価格の基準が必要となり、値付けが進みました。


一方、日本はというと、まだ取引の法的背景でも自由参加なので、取引市場での値付けも相場が形成されていない、市場としては初期段階の状態です。しかし、2026年から「炭素国境調整措置(CBAM)」が本格化しますので、欧州で商売をしている企業は日本のサプライチェーン参加企業にも見積書にCO₂の排出量を記載するように求められるようになると想定されています。発生するCO₂を削減することも、実質カーボンニュートラルを実現するために使うカーボンクレジットの増量も体制を整えるのに時間がかかるものなので、今のままでは本当に必要になった時には需要に対して3~10%程度しか供給されず、クレジットが奪い合いになると予想されています。


国も戸叶証券取引所にカーボンクレジットの取引市場を開けさせるなど、プラットフォームの準備に取り掛かっていますが、他国のスピードに追い付いていない状況です。日本製品が海外で売られ、国全体がその恩恵を受けてバランスしているので、日本はグローバルに進められているカーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーから目をそらすことはできません。実質カーボンニュートラルを実現しているという基準をクリアしてから交渉のテーブルにつくという国際市場における必須条件が、日本のものづくり業界に求められる日が2030年ごろには現実化しているかもしれません。今のペースでは、日本企業の国際競争力がカーボンニュートラルの達成率で失われていく可能性があります。


2050年エネルギー由来のCO₂排出実質ゼロへのロードマップ(出典:IEA資料をもとに作成)

ル事業者の連携イメージ


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